諏訪の風景

諏訪の風景

自由な表現の保証

(結社の未来)

たまたま私は短歌を選んだが自己表現をする方法は、詩でもエッセイでもそんなに違いはないであろう。肝心なのは、何を表現するかである。表現の内容について極論を言わせてもらえば、自分は一体何者なのか、どこから来て、どこへ行こうとしているのか、またこの世界はどうして存在し、どうなっていくと考えているのか。これらの認識の中で、自分は、どう生きてきたのか、これからどう生きて行くのか。それらを表現することではないだろうか。

かつて私は「ペテロ小伝」という本を書いた。愚鈍で不信仰なペテロが、やがて自分の使命を自覚して行く過程に共感したからである。拙い私の作歌活動ではあるが、その中でこのような自覚を持った自分を表現したいと思っている。

自由な表現を保証していただければ、結社は私にとって十分な存在であるし、誰にとってもそうであろうと思う。


(ナイル短歌工房誌・平成26年8月号)

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